登坂車線
「うつからの脱却」、「再発の予防」、「社会とのつきあい方」をテーマに思いをめぐらす日々の記録。週3回更新。
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治っても直らないこと
現在の職場で偶然、前の職場の上司に出くわしたことがある。

その上司は、僕のキャリア形成に大きくかかわっていただいた方だった。
声をかけられたのをきっかけに、僕は会社を辞め、上司の下で仕事を始めた。

仕事を始めてからわかったのだが、僕はその仕事が全くできなかった。
最初から向いていなかったのだと思う。
「これは大変な選択をしてしまった」と後悔ばかりしていた。

それでも、「信頼している人が声をかけてくれたのだから、何とかやれるかもしれない」と思って、仕事を続けていた。

半年たっても、依然として何の成果も出ない。
それが当たり前の世界だとしても、僕は焦った。
加えて、上司以外の同僚とは全く話が合わないし、仕事ができないことを非難していることが、彼らの蔭口からわかった。
一緒に働いている人間は極めて自分本位だったし(そういう振る舞いが許される業界だった)、別の人は卑屈で口が悪かった。
上司は忙しくて、話す機会を持つのも難しかった。

僕は、誰も味方とも思えず、自分の考えを誰にも理解されず、そして結果を出すには圧倒的に能力が足りず、能力の開発をする時間を取ることも許されず…。
八方ふさがりだと思い込み、心と体の調子が悪くなり、何もできなくなった。
結果として、誰とも口がきけなくなり、職場から足が遠のき、ついには起き上がれなくなった。

そんな時に、上司から電話があった。
僕がその電話に出られないでいると、上司の奥さんが自宅の固定電話にかけてきた。
電話を受けたのは僕の妻で、妻が話すには、上司は今外国にいて、外国から僕に電話をしても出ないから、奥さんが自宅にかけてくれたのだという。
とても心配している、と言っていた。

そこまでしてもらってようやく、僕は上司と直接話す約束をとりつけた。
喫茶店で、自分の苦しい思いを伝え、上司は聞いてくれた。
そして、今後のことを決めたはずだが、その内容を僕は何も覚えていない。
テーブルの上に置かれたストローの袋が曲がっていて、それが気になって仕方がなかったことを覚えている。

結局、僕は2度と職場に行かなかった。
上司にもう1度呼び出され、病院に行くことと休職することをを勧められた。
僕はかろうじてお礼を言い、ご迷惑をかけたことを謝り、上司のお膳立てにそって通院を始めた。
診断書を提出し、休職し、しばらくしてから退職した。

退職してから、数年間会っていなかった。
いずれは謝罪したいと思っていたものの、機会もなく、会いたくもなく、といった状況で、現在の職場で偶然出くわしたのだ。

トイレを出ようとしたとき、相手がトイレに入ってきた。
顔を見て瞬間的に気づいたのだが、何もせずにすれ違った。

「このまま何も言わないでおこうか」
トイレを出てから一瞬そう考えたが、会ってちゃんと謝るべきだという思いもすかさず持ち上がった。

苦しい逡巡を重ね、結局僕はトイレの前で上司が出てくるのを待つことに決めた。
現状をお伝えするだけで、悪い結果にはならないだろう、と思ったからだ。
もし、過去をとがめられるのであれば、それは当然である。
何も償えないけれど、話を聞くことくらいはできる。

トイレから出てきた上司に、改めて名前を呼び掛けた。
「どなたですか」と問われたので自分の名前をお伝えすると、相手は驚いていた。
思い出していただいたことにはほっとしたが、過去のことも思い出していることに心を痛めた。

上司は、自分がなぜここにいるのかを話し、僕の現在の仕事の様子を尋ねた。
過去のことは何も言わなかった。
僕は、今の仕事をありていに話し、ここで仕事をいただけるようになるまでにかなりの時間を費やしたことを伝えた。
そして、過去のご迷惑をわびた。

上司からは、「また是非今の仕事を話しに来て下さい」とおっしゃっていただいた。
私は「機会があればぜひ」と返したが、そんなことをするわけにはいかない、という気持ちがいっぱいだった。

上司と別れた後、「これでけりがついた」という気持ちには、やはりならなかった。
時間はずっと続いていて、間違いなくこれからも続いていく。
なので、僕は瞬間瞬間を大切に生き、過去に対して誠実な答えを1つずつ出していきたい。
上司にご挨拶したのも、すごく時間がかかったが、自分にできるせいいっぱいことを果たせた。

過去の失敗を繰り返さないために、自分のことを正確に理解し、自分の在り方を考え、できることを具体的に1つ1つ実行する。
ご迷惑をかけたことそのものを償うことは決してできない。
しかしながら、今後同じ失敗を繰り返さないように気を付けることはできる。
それでも失敗する可能性はあるが、転んだときのけがを小さくすることも場合によってはできる。
失敗する可能性が高ければ、別のやり方を考えればよい。
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テーマ:うつ病(鬱病)、メンタルヘルス - ジャンル:心と身体

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ふうなぎ

Author:ふうなぎ
[admin]
2012年に再就職。
社会になじむ方法を模索しつつ、毎日を大切に過ごしています。

カネ無し、コネ無し、腕力無し。
一方で、慎重さと困難に立ち向かう根気強さを身につけていると考えます。
自分の強みである探求心と分析力を、今後も伸ばしていきたい。

性格は、よく言えば周囲と調和しようとしているし、悪く言えば周囲に流されやすい。
飽きっぽく、億劫がり、嘘をつくことが不得意。
特技は、パズルを解くこと、ただし、人と対戦するゲームは除く。
気晴らしは、エッセイを読むことと、音楽を聞くこと(ジャンルは、J-POP、ジャズピアノ、クラシック)。
街歩きと旅行が好きです。

2014年の目標は、2013年の目標に加えて、「メモを取る」。

おことわり: 私の判断により、予告なしにコメントやトラックバックを削除する場合がございます。また、いただいたコメントに対する返答が遅れる、もしくは返答を差し控える場合がございます。あらかじめご了承くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。(2012-01-10)

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